天秤のような心

最近、思う。
本気で一人の人を
好きになることのできる人はすごい。って。
僕の心は天秤なのだ。
しかも四方八方に広がっている・・・。
いろんな人のことが好きになる自分。
自分は最低だ。
でも、こんなにいろんな人のことを好きに
なってしまう自分に気が付いたのは
ごく最近である・・・。
僕の中でなにかが変わりつつある。
初めて本気で好きになった人に、
ふられたあの日から・・・。

ある日、思いがけない電話があった。
「付き合ってほしいです・・・」
僕は、本当にうれしかった。
同意した時の彼女の喜びの声は忘れない。
しかし、言葉は霧のように
僕の涙と一緒に流れるのであった・・・。

一週間後、彼女の友達からの電話がある。
「今は好きじゃないらしいです・・・」
あまりにも唐突すぎる出来事であった。
僕は時が止まるのを覚えた。
それは時が僕の記憶から、
彼女の笑顔だけを消し去っているようだった。

あの時の言葉・・・
あの時の笑顔・・・
すべて、シャボン玉のように一瞬で消えた時、
僕は、自分が自分でない感覚になっていた。

それが、今も続いているということだろう・・・。