登校拒否

学校帰りにふとコンビニに寄ってみたら、
九年間ぶりにある女の子と会った。
目と目が合ったんだけど、
向こうは気づいていない様子だった。
でも、僕は、はっきり覚えていた。
まあ、昔と比べたら僕は全然違う。
背も大きくなったし、髪も染めた。
でも、人には雰囲気というものがある。
会った事のある人には何か不思議なものを感じる。
登校拒否によって彼女の記憶から、
僕の存在が消えてしまったらしい。
昔の記憶では存在していたものが、
あのとき砂のようにサラサラと消える
感覚に僕はおそわれていた。