こんちくしょ！

「こんにちは」
そう言って顔を見せた子は、
仲良くしている後輩だった。
いつも笑顔が可愛い女の子。
しかし、いつもの笑顔はどこにもなく、
疲れきった顔をしていた。
自分を忘れて涙をする彼女・・・
あまりに突然なことで言葉を失った。

同じ部活のカレカノが別れた。
はっきりした原因があるわけでもないから、
今でもなぜ別れたか良く分からない。
二人やその友達に話しを聞いても、
うまく状況を把握することはできなかった。
まだお互いに嫌いではない。
女の子はまだ相手のことが好きである。
男の子もこちらからは、
まだ未練があるように思える。

二人の深いところは知らない。
だが、別れた事に関しなにか納得できない。
男の子は言った
「合わなかったんですよ」と。
その言葉を聞いた時、
思ったのだが、
何もかも合う二人なんているのだろうか？
お互いが合わせたり、合わせてもらって、
いまの二人がいるのではいか？
そして相手の嫌な所とか時には直してもらい、
時には尊重する。
そうすればこのような言葉は、
口からでてこないはずだ。

いまの状況では男の子側に腹がたつ。
そして、男の子に一言、
言わなかった自分に腹が立ち。
女の子に涙を流させたことへの
苛立ちが心に残った。